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クレジットカードのサインレス決済で暗証番号不要に!仕組みと条件解説

サインや暗証番号が不要な
「サインレス決済」の仕組みを解説

クレジットカードの保有者の比率は年々増えています。

「電子マネー」や「スマホ決済」も普及しているので、
現金を持ち歩く機会も少なくなってきました。

ところでクレジットカードで決済をした時、
サインを求められるお店と、
サインや暗証番号の入力が必要ないお店があることに、
疑問を持ったことはないでしょうか?

「金額が少ないとサインが不要なのでは?」と思いがちですが、
実はそうとは限らないのです。

クレジットカード決済時のサインレス」は、
どんな時に利用できるのでしょうか。

  • ページ更新日:10月22日




クレジットカードの
「サインレス」とは?

コードレスやシュガーレスなど、
英語の「レス」には、「~ない」という意味があります。

言葉の後に「レス」をつけることによって、
そのもの自体や行為がないことを表します。

クレジットカードの場合。
「サインレス」とは、
サイン(署名)や暗証番号の入力が不要という意味になります。

お店で買い物をして、
署名も暗証番号の入力も求められなかった時に、
「サインも暗証番号もいらないんですか?」と聞くと、
「サインレス(またはタッチ決済)なので大丈夫です。」と、
店員さんに言われることがあります。

これは、そのお店での決済に関して、
一定の基準を満たしていれば、
クレジットカード決済でも本人確認(サイン・暗証番号)が、
必要ないということを意味しています。

そもそもサインや暗証番号が必要な理由
そもそもクレジットカード決済をした時に、
なぜサインや暗証番号の入力が必要なのでしょうか?

2025年4月以降、
ICチップ搭載カードを端末に差し込む決済方法では、
原則として「暗証番号」の入力が必須となり、
従来の「サイン」による本人確認は廃止されました。

これはセキュリティ強化の一環ですが、
「サイン」が持っていた役割は重要です。

一つ目は、
そのカードが間違いなく本人が所有するカードであるという確認を、
行うためでした。

以前はカードの裏に本人の名前が記されていないと、
その場で記入を求められることがありましたね。
これはクレジットカードの裏に書かれたサインと、
伝票に書いたサインが一致するのを、
お店側が確認するためです。
サインにはカードの悪用を防ぐ目的がありました。

厳密に言うと、
たとえ家族であっても本人以外のカードを使用して、
決済を行うことはできません。
名義人のサインを家族が勝手に書くことは違反行為になります。

家族が使用する場合は、
別途家族カードを発行する必要がありますし、
そもそもカードの所持条件に満たない18歳以下の人は、
お会計でクレジットカード決済を行うこと自体ができないのです。

もう一つの理由は、
クレジットカードがそもそも「ツケ払い」であるということにあります。

「ツケ」とも「売掛金(掛け売り)」とも言いますが、
先に商品やサービスを受け取って、
後からお金を払うというシステムがクレジットカードの役割です。

これは、間違いなく後日決められた金額をお支払いしますよ!
という契約でもあります。

サイン(あるいは暗証番号の入力)をする時は、
伝票や画面に表示された数字に間違いがないことを、
確認・承認する作業でもあるのです。




サインレス決済が可能な場合の
具体的なパターン

現在、クレジットカード決済で、
サインも暗証番号も不要になる「サインレス決済」が、
利用できる場面は増えています。

主に2つのパターンがあります。

パターン1:タッチ決済(コンタクトレス決済)

現在のサインレス決済の主流は、
タッチ決済(コンタクトレス決済)」です。

Wi-Fiのマークを横にしたような、
電波のマーク(リップルマーク)がカード券面にあれば、
そのカードはタッチ決済に対応しています。

お店のレジにある専用端末に、
カードをかざすだけで支払いが完了する仕組みです。

このタッチ決済では、
カード会社や店舗によって異なりますが、
おおよそ1万円〜1万5千円以下の支払いであれば、
サインや暗証番号の入力は不要です。

ICチップを差し込むよりもスピーディーに決済が完了し、
防犯上も安全とされています。

パターン2:特定の加盟店(コンビニ・スーパーなど)

タッチ決済が普及する前から、
サインレス決済を導入しているお店はありました。

「コンビニエンスストア」や「食品を扱うお店(スーパー)」など、
暗証番号すら求められないお店です。

サインレスが導入される背景
ただし、クレジットカード会社が「この業種はサイン不要」と一律に決めているわけではありません。
サインレスにするかどうかは、
お店とカード会社との契約で決まります

レジの回転を重視するお店では、
カード会社と相談のうえ条件次第でサインレスを導入できます。
そのため、レジの回転が速いお店や少額決済では、
サインレスのケースが多い傾向にあります。

金額や支払い方法による違い
基本的にはサインレスのスタイルをとっているお店でも、
そのお店ごとで金額のボーダーラインを決めていて、
例えばコンビニエンスストアでも、
お会計のトータルが1万円(タッチ決済の上限額)以上の時は、
暗証番号の入力を求められる時があります。

(例:セブン-イレブンの場合、
タッチ決済以外でも10,001円以上の支払いは、
暗証番号またはサインが必要となる場合があります)

さらに、たとえ少額でも、
分割払いやリボ払いや、
ボーナス払いの時は暗証番号の入力(またはサイン)が必要です。
一括払い以外は約束を交わし合う期限が長くなるので、
その分厳格な対応を求められます。




スマホ決済の場合は
サインレスになる仕組み
(Apple Pay・Google ウォレットなど)

スマホ決済の場合は サインレス
最近では、
スマートフォン(スマホ)にクレジットカードや電子マネーの機能をまとめて搭載できるようになりました。
代表的なのが、
iPhone向けの「Apple Pay(アップルペイ)」と、Android向けの「Google ウォレット」です。

では、これらのスマホ決済では、なぜサインや暗証番号が不要なのでしょうか?

サインレスの仕組み
スマホ決済では生体認証(Face ID・Touch ID)や、
端末のロック解除(PIN・パスコード)が、
サインや暗証番号の代わりとなります。

支払い時に、スマホが顔・指紋・PINなどで本人確認を行うため、別途サインを求められることはありません。

この仕組みにより、
通常のカードタッチ決済では上限がある金額(例:1万円など)を超える支払いでも、
サインレス(暗証番号レス)で決済が可能です。

また、実際のカード番号ではなく「トークン」と呼ばれる一時的な番号で通信するため、
セキュリティ面でも安心です。

ネットショッピング(通販)の場合

それでは、通販などを利用して、
クレジットカードのインターネット決済をする時はどうでしょうか?

当然サインのやり取りをし合う場面にはならないですし、
ICカードの暗証番号の入力を求められることもありません。(逆に暗証番号を求められるサイトがあれば要注意です!)

この場合は、通販会社と利用者との間に、
クレジットカード会社が入って必要な決済が行われるので、
物理的な本人確認が省略されるのです。

ネット決済での本人確認方法
その代わり、
カード裏面に記載されている、
「セキュリティコード(3桁または4桁の数字)」の入力
や、
3Dセキュア」と呼ばれる、
カード会社専用のパスワード入力(またはSMS認証など)を、
行うことで、カードの不正利用を防いでいます。

万が一盗難などの被害にあったり、
情報が漏れたカードを第三者が悪用しようとした場合も、
利用者やクレジットカード会社が異変を察知した時点で、
カードの停止処置がなされます。

そして通販会社との買い物取引も白紙になるという体制が、
とられています。




まとめ

クレジットカードの「サインレス」について詳しくご紹介しました。

2025年4月以降カードを差し込む決済では、
「暗証番号」が基本となりましたが、
一方で「タッチ決済」や「Apple Pay」・「Google ウォレット」のような、
よりスピーディーで安全な「サインレス決済」が主流になってきています。

ICカードの暗証番号入力やスピーディーなタッチ決済、
さらにスマホの生体認証を活用した決済も含め、
それぞれの特徴を活かして場面に応じた使い分けが、
今後さらに広がっていくでしょう。

参考リンク集

公式サイト・サービス 詳細
Apple Pay – Apple(日本) Apple Payの公式紹介ページです。
Visaのタッチ決済 Visaのタッチ決済(コンタクトレス)の公式解説ページです。
JCBのタッチ決済 JCBのタッチ決済(JCB Contactless)の公式解説ページです。
Mastercardタッチ決済 Mastercardのタッチ決済(コンタクトレス)の公式解説ページです。