肉眼では見えない?
偽造を許さない「ミクロの番人」
普段何気なく使っているクレジットカードや、
新しくなった日本銀行券(紙幣)。
実はそこには、
虫眼鏡を使わないと読めないほどの「極小の文字」が隠されていることをご存知でしょうか?
これは単なるデザインではなく、
高度なセキュリティ技術の一つです。
「マイクロ文字印刷」と呼ばれるこの技術が、
どのようにして私たちの財産を守っているのか、
その驚きの仕組みと見つけ方をチェックしておきましょう!
- ページ更新日:12月18
1.マイクロ文字印刷の基礎知識
新紙幣やクレカのデザインの中に隠されています。
マイクロ文字印刷とは、その名の通り
「肉眼では判別できないレベルの微細な文字」を印刷する高度な技術です。
文字の大きさは一般的に0.2mm前後、
あるいはそれ以下という極小サイズで描かれています。
パッと見ただけでは、
ただの「罫線(ライン)」や「背景の幾何学模様」にしか見えません。
デザインの一部として自然に溶け込んでいるため、
存在を知らなければ気づくことはないでしょう。
しかし、
ルーペや拡大鏡を使ってよーく見てみると、
そこには「NIPPONGINKO」という文字や、
カード会社名のアルファベットなどがびっしりと並んでいることが分かります。
主に以下の製品で採用されています。
・紙幣(日本銀行券)
・クレジットカード
・パスポート
・商品券・ギフトカード
・運転免許証
・印紙・証紙
このように、
「金銭的な価値があるもの」や「重要書類」のセキュリティとして、
世界中で標準的に利用されている信頼性の高い技術なのです。
2.なぜ「偽造防止」になるの?仕組みを解説
なぜ、
文字を小さくするだけで偽造防止になるのでしょうか?
その理由は、
「一般的なコピー機やプリンターの性能限界」を利用しているからです。
家庭用プリンターやコンビニのカラーコピー機にも、
もちろん高い印刷能力があります。
しかし、
マイクロ文字のような「0.2mm程度の極小文字」を再現しようとすると、
解像度が足りずに文字が潰れてしまったり、
単なる「点線」や「実線」になってしまったりします。
犯罪集団が本物のクレジットカードや紙幣をカラーコピー機で複製しようとしても、
このマイクロ文字の部分だけはどうしても再現できません。
つまり、
マイクロ文字が「文字」として読める状態であれば、
それは「本物」である有力な手がかりとなり、
逆に線として潰れていれば「偽造品」の可能性が高いと、
プロが見抜くための判断材料になるのです。
この技術には、
高度な版画技術と専用の産業用印刷機が必要となるため、
容易に模倣できないという強力なメリットがあります。
3.クレジットカードのどこにある?探し方
では、
お手持ちのクレジットカードのどこにマイクロ文字が隠されているか、
実際に探してみましょう!
カード会社やデザインによって異なりますが、
一般的には以下の場所に潜んでいます。
①・カード表面の背景デザインの一部
カードの背景には複雑な幾何学模様や波線が描かれていますが、
その「線」の一部が、
実は「VISA」や「JCB」といった文字の羅列になっていることがあります。
②・ロゴマークの縁取り
クレジットカードブランドのロゴマークや、
カード名のロゴの「枠線(縁取り)」部分をよく見てください。
ただの線に見えて、
実は極小のアルファベットで構成されているケースが多くあります。
③・署名欄(サインパネル)などの背景
カード裏面の署名欄などを見てみましょう。
薄く印刷された背景パターンの中に、
マイクロ文字が仕込まれている場合があります。
もしお手元にルーペや、
スマホのカメラ(マクロ/接写/高倍率ズームなど)があれば、
ぜひ拡大して確認してみてください。
肉眼では見えなかった「隠されたメッセージ」が見つかるかもしれません!
4.まとめ
マイクロ文字印刷は、
日本の印刷技術の高さが光る「縁の下の力持ち」です。
もちろん、
紙幣やカードの偽造防止技術はこれだけでなく、
「ホログラム」や「潜像模様」など複数の技術を組み合わせることで、
より強固に守られています。
クレジットカードや重要書類を手にした時は、
この小さな守り神の存在を思い出してみてくださいね!
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