ネット通販の信頼性を高めた
歴史的な暗号化技術の仕組みと歩み
ネット通販が普及し始めた頃に、
決済の安全を守るために誕生した、
歴史的なセキュリティ技術があります。
それが、「SET」です。
本人確認やデータの暗号化を、
高度に行うための規格として、
業界を牽引してきました。
その仕組みや現在の技術への、
つながりについて詳しく解説します。
2.仕組み:デジタル証明書による厳格な本人確認
3.普及の壁:利便性とコストのバランス
4.現在の主流:SSL/TLSと3Dセキュアへの進化
5.まとめ
- ページ更新日:1月19日
1.SET(セキュア・エレクトロニック・トランザクション)の定義
SETは、インターネット上での、
安全な決済を目的とした規格です。
1996年にVisaとMastercardによって、
共同で策定されました。
最大の特徴は、
単にデータを暗号化するだけでなく、
「誰が送ったか」という、
身元の正しさを証明する点にあります。
2.仕組み:デジタル証明書による厳格な本人確認
SETでは「デジタル証明書」を用い、
利用者、お店、銀行の三者を、
認証局が公的に証明します。
これにより、お店側には、
利用者のカード番号を知らせずに、
支払い承認だけを得る、
といった高度な運用が可能でした。
偽造やなりすましが困難な、
極めて堅牢なセキュリティを誇っていたのが特徴です。
3.普及の壁:利便性とコストのバランス
非常に安全なSETでしたが、
一般に広く普及するには、
いくつかの課題がありました。
利用者がパソコンに、
専用のソフトを導入する必要があり、
操作も複雑だったためです。
また、お店側のシステム改修にも、
多額のコストがかかったことから、
利便性を重視する市場では、
定着が難しい側面もありました。
4.現在の主流:SSL/TLSと3Dセキュアへの進化
現在では、より手軽な、
「SSL/TLS」による通信の暗号化が、
標準的な技術となっています。
しかし、SETが目指した、
「厳格な本人確認」という思想は、
現在の3Dセキュアへと受け継がれています。
最新の「3Dセキュア 2.0」では、
ワンタイムパスワードや、
生体認証を組み合わせることで、
高い安全性と手軽さを両立しています。
5.まとめ
「SET」は、
現代の安全なオンライン決済の、
基礎を作った偉大な技術です。
規格そのものは、
時代の流れとともに交代しましたが、
そこで培われたノウハウは、
今のセキュリティ技術の中に息づいています。
歴史を知ることで、
私たちが今当たり前に享受している、
安心・安全なネット通販の価値を再発見できるはずです。