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シンジケートローンの詳しい仕組みは?〜メリットとデメリットを学習しよう!〜

シンジケートローンの基礎知識!
仕組みから導入の流れを解説

  • ページ更新日:12月24日




企業の資金調達方法は様々ですが、
大規模な設備投資やM&Aなどで活用されるのが「シンジケートローン」という融資形態です。

名前は聞いたことがあっても、
一体どのような内容のローンなのか?
と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

今回はシンジケートローンの仕組みや、
企業側のメリット・デメリットについて詳しく解説します!

1.主に大手銀行が中心になって組成します!

シンジケートローン」とは、
案件ごとに複数の金融機関で「シンジケート団(シ団)」を結成し、
同一の契約書に基づいて融資を行う仕組みのことです。

少し難しく感じるかもしれませんね。

簡単に言うと、
ひとつの銀行だけから借りるのではなく、幹事となる銀行が他の銀行にも声をかけて、みんなで協力して融資をしてくれる
ということです。

この取りまとめ役(アレンジャー)を行うのは、
多くの金融機関とネットワークを持つ大手都市銀行や、
地域の有力な地方銀行が担うことが一般的です。

万が一の際には、
契約内容に基づいた高度な調整が必要になるため、
相応のノウハウと体力がある銀行でないと組成(セットアップ)ができないのです。

「シンジケートローン」の具体的な仕組みは?

シンジケートローンを具体的に説明すると、
企業が銀行に融資の相談(マンデート)をした際、
銀行側はその融資案件に参加してくれる「参加金融機関(レンダー)」の募集を開始します。

企業は個別の銀行それぞれと交渉するのではなく、
窓口となる「アレンジャー(幹事銀行)」や「エージェント(代理人)」を通して、
シンジケート団全体から資金を借りることになります。

何故?銀行が単独で直接貸さないの?

銀行にとっても、
一社に対して巨額の融資を行うことは大きなリスクを伴います。

もしも貸付先の経営が傾き、
その巨額融資が焦げ付いてしまった場合、
ひとつの銀行だけで全額を負担すれば甚大な損失を被ってしまうからです。

そのため、
ある程度以上の融資金額(数億円〜数百億円など)になると、
銀行側は自分たちのリスクを分散させるために、
シンジケートローン(協調融資)
を提案してくるのです。

つまり、
企業側から「これを使いたい」と指名する場合もありますが、
多くの場合は資金調達の規模や企業の信用力を踏まえ、
銀行側から「この方式で進めませんか?」と提案されて利用するケースが多いです。



2.参加する金融機関が集まらないと利用できません!

専用のシンジケート団が組まれないことには、
このローンは利用できません。

利用までの流れを簡単に説明しましょう。

まず、
銀行に対して巨額の借入申請をした際に、
その銀行が「単独融資ではリスク許容度を超える」と判断すると、
シンジケートローンへの切り替えを検討します。

シンジケートローンになっても、
借りる側の窓口(返済先や連絡先)はエージェント銀行に一本化されるため、
企業としての手間はそこまで変わりません。

そこで企業が了承すると、
条件をまとめた「タームシート」の提示や、
組成を依頼する「マンデートレター(委任状)」の締結を経て、
銀行側(アレンジャー)は参加金融機関(他の銀行・生損保など)を募集します。

提案されても利用できないことも…

アレンジャーから打診を受けた参加金融機関たちは、
融資金額、
金利条件、
事業計画の実現性、
担保などを厳しく審査し、
納得ができなければシンジケートには参加しません。

よって、
このローンが成立するかどうかの最大のポイントは、
参加してくれる金融機関(貸し手)が集まるかどうか
にかかっています。

参加する金融機関には、
貸出金利による収益が入ります。

例えば、
市場運用で低い金利しか得られない環境下であれば、
しっかりとした事業計画を持つ企業へのシンジケートローンに参加することで、
より高い利回りを得ようと考える金融機関が集まってくるのです。

参加金融機関にもリスクがあります!

もちろん、
シンジケートに参加する金融機関にもリスクはあります。

ローンである以上、
貸付先の業績が悪化して返済不能になれば、
貸し手は回収不能などの「信用リスク」を負うことになります。

参加金融機関への返済原資は、
あくまで借りた本人の事業収益だからです。

そのため、
アレンジャー(幹事銀行)の手腕や、
借り手企業の信用力が非常に重要視されます。

シンジケートローンは、
案件ごとにオーダーメイドで条件が決まりますが、
基本的には「いかに参加行(レンダー)を納得させて集められるか」が成立の鍵です。

これには、
融資を申し込む企業の魅力だけでなく、
アレンジャーとなる銀行の交渉力も大きく影響するため、
やはり実績のある銀行にお願いするのが近道と言えるでしょう。



3.「シンジケートローン」を利用するメリットとは?

企業が「シンジケートローン」を利用する最大のメリットは、
単独の銀行では対応しきれない規模の資金調達が可能になる点です。

例えば、
この担保と事業計画では、当行単独だと5億円が限界です
と判断された場合でも、
シンジケートローンを組成できれば、
複数の銀行の枠を合わせて10億円、
20億円といった資金を調達できる可能性があります。

銀行側がシンジケートローンを提案してくるということは、
条件さえ整えば、大規模な資金を貸せる可能性がある
というサインでもあります。

窓口はひとつで構いません!

複数の銀行から借りる形にはなりますが、
企業側の窓口は基本的に「エージェント(代理人銀行)」一箇所になります。

参加している他の銀行たちと個別に連絡を取ったり、
それぞれ別々の日に返済手続きをしたりする必要はありません。

見掛け上は、
あたかもメインバンク一行と取引しているように一本化されるため、
管理事務が煩雑にならないのも大きなメリットです。

また、
シンジケートローンが組成されること自体が、
多数の金融機関から信用を得ている
という対外的なアピール(情報開示効果)に繋がることもあります。



4.逆にデメリット面は?

シンジケートローンのデメリットとして、
金利とは別に「手数料」が発生し、
総コストが通常の融資より高くなることが挙げられます。

具体的には、
借入金利(TIBORやTONA複利+スプレッド等)に加え、
組成を主導した銀行へ支払う「アレンジメント・フィー」や、
期間中の事務管理に対する「エージェント・フィー」などが必要です。

場合によっては、
融資枠を確保するための「コミットメントフィー」がかかることもあります。

アレンジャー」とは、
シンジケートを募集して融資を成立させる「まとめ役」のことです。

これらの手数料は案件規模や難易度によって異なりますが、
融資総額の一定割合(数%など)や、
年間固定額で発生するため、
通常の相対融資(1対1の融資)よりもコストは割高になります。

手数料がかかる理由は…

金利以外に手数料まで取られるのは高いのでは?
と思われるかもしれません。

しかし、
銀行側も多数の金融機関を調整し、
契約書を作成し、
期中管理を行うために膨大な人的コストをかけています。

また、
参加する金融機関に対しても、
適切な情報提供を行う義務を負っています。

企業側としては、
コストをかけてでも、巨額かつ安定した資金を確保する
という経営判断ができるかどうかがポイントになります。

すぐには借りられないので注意してください!

ここまでに挙げてきたように、
シンジケートローンは利用を検討してから、
実際にシンジケート団の募集を開始します。

既存のひな形契約ですぐに借りられる通常の融資とは異なり、
契約内容の調整や参加銀行の検討期間が必要です。

そのため、
来週中にお金が必要
といった急ぎの資金調達には全く向いていません。

申し込み(マンデート)から融資実行(ドローダウン)までに、
案件にもよりますが数週間〜数ヶ月、
場合によってはそれ以上の期間がかかると考えておきましょう。



5.まとめ

シンジケートローンの仕組みと、
メリット・デメリットについて解説しました!

シンジケートローンは、
手数料などのコストがかかり、
組成までに時間が必要というデメリットはあります。

しかし、
単独の銀行からは借りられない規模の資金を調達できる
借入条件や窓口を一本化して管理を効率化できる
というのは、
成長企業にとって最大のメリットです。

大規模な事業展開を考える際には、
メインバンクにシンジケートローンの可能性について相談してみるのも良いでしょう。

参照元:シンジケートローンについて|三菱UFJ銀行
参照元:よくあるご質問 シンジケートローン一般 | みずほ銀行