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学生の年金免除(猶予)は年収いくらまで?申請方法と未納のデメリット

20歳を超えた学生必見!
国民年金の「特例制度」と申請条件まとめ

20歳を過ぎた時から、
誰もが気が付けば加入している「国民年金保険」

学費や生活費などを負担している子どものために、
年金まで支払うのか・・。

そう思うと、
家計が厳しいと感じることもありますよね?

しかし、
20歳を過ぎていても、
学生であれば一定条件を満たすことによって納付の猶予が得られます!

ただし、
猶予はあくまで猶予です。
そこには少なからずデメリットも存在しています。

そこで、
学生の年金支払い猶予となる「学生納付特例制度」を利用した場合の、
「メリット・デメリット」を正しく確認しておきましょう。

  • ページ更新日:1月7日




1.そもそも国民年金とは?

「国民年金」とは、
日本国内に住んでいる「20歳以上60歳未満」の方が加入する公的年金です。

老後の備えというイメージがあるかもしれませんが、
実はそれだけではありません。

事故や病気により障害が残った場合、
また死亡の場合にも年金が受け取れます。
加入者が死亡した場合、
遺族年金として残された遺族に年金が支払われることになります。

さらに、
老後の年金を受け取るはずだった夫が、
年金を受けずに死亡した場合、
10年以上婚姻関係のある妻は「60歳から65歳」まで寡婦年金を受け取ることができます。

国民年金保険は「保険」という名前はついていますが、
国が保障している社会福祉としてのセーフティネットの側面も持ち合わせています。

また、
国民年金保険の納付は国民の義務として法律で定められています。
そのため、
納付をしないという選択は、
日本国民である以上できません。

理由なしに納付をしないでいると勧告を受けて、
最悪財産の差し押さえといった事態にまで発展します。
ただし、
支払いが出来ない理由がある上で、
所定の手続きをすることで、
デメリットを最大限免れることは可能です。

学生で、
勉学に励むのが仕事という期間に年金の納付をするのは現実問題無理がありますので、
その救済のために猶予の制度が設けられています。



2.学生が納付猶予できるパターン

学生が在学中の保険料納付を猶予する制度のことを学生納付特例制度といいます。

この制度は本人の所得が一定以下の学生が対象となります。

しかし、
学生とは言っても大学生や高校生でアルバイトをしているケースは多いですよね。

特に遠方の大学に就学して、
仕送り額が少ないのであれば半ばフリーターのように働かざるを得ない学生もいるはずです。

「学生納付特例制度」を受ける条件の「一定の所得」というのは、
どのくらいの金額なのでしょうか?

3.所得基準は「128万円」が目安?

学生の段階で扶養親族がいるケースは少ないと思いますので、
基本的な計算式(118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等)から考えると、
本人の「所得」が128万円以下であれば対象になります。

これをわかりやすくアルバイトの「年収(給与収入)」に換算すると、
おおよそ年収194万円以下であれば、
「学生納付特例制度」を受けられる計算になります。
(※給与所得控除などの条件により変動するため、あくまで目安です)

1か月で言うと、
アルバイト代が約15〜16万円以下であれば概ね範囲内ということになります。

フリーターで稼ぐのは簡単ですが、
通常の学生であればよほど講義をさぼったりしない限り超えない額かと思います。
しかし念のため、
学生のお子さんには「稼ぎすぎると年金の猶予が受けられなくなる可能性がある」と伝えておくのは良いことかもしれませんね。

「学生納付特例制度」の申請手続きは簡単です。

学生自身が住民登録をしている市区役所・町村役場の「国民年金窓口」や「年金事務所」でも申請できますが、
一般的には在学中の学校で代行してくれることも多くあります。

また、
マイナポータルを利用した電子申請や、
郵送でも申請することも可能です。
その際は「基礎年金番号通知書(または年金手帳)」と学生等であること、
または学生等であったことを証明する書類(学生証のコピーや在学証明書原本)を添付する必要があります。

申請期間は4月から翌年3月までとなるため、
複数年度の申請をする場合は年度ごとに申請書の提出が必要となります。
(※前年度に承認され、翌年度も同じ学校に在学する場合などは、簡易的なハガキでの申請が可能な場合もあります)



4.各種学校や専門学校の注意点

学生と一言で言っても、
大学から専門学校など、
様々な学校があり、
20歳の段階でどの学校に就学しているかは人それぞれです。

「学生納付特例制度」の対象となる学校には以下のような条件があります!

「大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校及び各種学校、一部の海外大学の日本分校(夜間・定時制課程や通信課程も含む)」
となっています。

学生という名称に対して、
かなり幅広い条件であることが分かりますね。

しかし注意すべきなのが、
各種学校という「その他の学校」の扱いです。
これは、
修業年限が1年以上の学校に在学している学生に限るという制限があります。

また、
私立の各種学校については各都道府県知事の認可を受けた学校に限るとなっています。

そのため、
例えばアート系の専門学校や芸術の私立スクール、
スポーツ系の訓練校などでは、
「学生納付特例制度」が受けられない可能性もありです。
その場合は納付猶予制度という別の制度で、
納付の猶予を受けることができます。

この「納付猶予制度」は、
以前は「若年者納付猶予制度」という名称で30歳未満という制限がありましたが、
現在は50歳未満に対象が拡大されています。

このため、
例えば30歳を過ぎてから再度学生に戻ったりした場合でも利用できる制度と言えます。

「納付猶予制度」を利用する条件は以下の内容になります。

前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること

(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円

高齢な学生の場合は扶養親族がいる場合もあるでしょうから、
こちらは計算式に当てはめてみてください。
学生納付特例制度よりも基準が低くなっている(厳しくなっている)ことがポイントです。

また、
大学に入ろうと浪人して、
20歳になったパターンでは通っている予備校によりケースが分かれるようです。
市区町村の国民年金担当窓口まで問い合わせ、
通っている予備校が対象となっているかを確認することができます。

当たり前のことですが、
浪人生でも独学で勉強してどこにも通っていない場合は学生である証明ができませんので、
猶予制度を使う場合は通常の「納付猶予制度」「全額免除・一部免除」を利用することになります。

なお、
2022年4月から成人年齢が18歳に引き下げられましたが、
国民年金の加入義務は「20歳から」のまま変わりありません!

「18歳成人だから高校生でも年金を払う必要がある?」と勘違いしやすいですが、
あくまで加入は20歳の誕生日の前月(1日生まれは当月)からとなりますのでご安心ください。



5.猶予制度のメリット・デメリット

どちらの制度に関しても「猶予」と名がつく通り、
その期間の保険料はいつか支払わねばなりません。
これが猶予制度のデメリットです。

「学生納付特例制度」の場合、
今すぐに支払う必要はないとされています。
ただし、
将来受け取る老齢年金額が目減りしてしまう(満額もらえない)ということになってしまいます。

この部分を補うため、
10年以内であれば猶予期間の保険料追納(後払い)が認められています。
そのため、
大学を卒業して社会人になってから、
年金の追納を行うことによって減った老齢年金を通常まで戻すことができます。

メリットとしては、
猶予期間も受給資格期間にカウントされることです。

老齢年金は、
原則として10年(120ヶ月)以上の受給資格期間がある人が受け取ることができます。
(※以前は25年でしたが、平成29年8月から10年に短縮されました)

猶予期間中もこの「期間」としては数えられますので、
3年間の猶予を受けた人であっても、
将来の受給権を確保する上で非常に重要です。

また、
障害年金を受け取れることも大きなメリットです。
障害を診断された日(初診日)の前日までに猶予制度の申し込みが受理されていれば、
万が一の際に障害年金が受け取れます。

未納のままだと、
この障害年金が一切出ないという最悪のケースになりかねません。



6.手続しない「受動未納」だけは絶対に避けましょう

猶予制度によって将来の受給額が減るなどのデメリットも発生はしますが、
手続きをしない「年金未納」のデメリットに比べればはるかにましです。

いずれにせよ、
督促や財産の差し押さえが発生するリスク、
また万が一障害を負った場合に障害年金を受け取れないなど、
手続きなしの未納で想定されるデメリットは計り知れないものがあります。

「学生納付特例制度」は年金事務所などでも一般的なもの。
年金事務所などに問い合わせをすれば丁寧に教えてくれるはずですから、
分からなければ居住地を管轄する年金事務所にまず問い合わせをしてみましょう。

参照元:国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度|日本年金機構
参照元:国民年金保険料の学生納付特例制度|日本年金機構