使わない借り入れ枠の
正しい取り扱いと判断基準
使うかな?と思って契約したカードローン。
実際に契約したけれどまったく使わなかった。
「昔使っていたけれど、
今は使っていないで放置している」、
そんな方はいませんか?
使わないカードローンやキャッシング枠は、
放置したままで大丈夫なのでしょうか?
メリットとデメリットを確認しておきましょう!
- ページ更新日:12月4日
1.契約したカードローンを利用していない方へ
作ったけれど使わないという現実
「金融機関に勧められたので・・」、
「使うはずだと思ったけど・・」、
「過去に使っていたが今は使っていない」
色々な理由があると思いますが、
契約したカードローンを放置していませんか?
金融機関に勤めていると、
たまにお客さんが「こんなハガキが届いたんだけど?」と言って、
お知らせのハガキを持って窓口に問い合わせに来ます。
ハガキの中身をよく見ると、
どうやら放置されたままのカードローンに関する案内のようなんです。
これは、
お客さんがカードローン契約したことをすっかり忘れており、
「何だこのハガキ?」となってしまうからです。
使わないローンサービスやキャッシングは、
放置したままで良いのでしょうか?
使わないのに契約しておくことで、
何かメリットやデメリットはあるのでしょうか?
放置したままのカードローンや、
キャッシング契約のちょっとした疑問にお答えします!
放置してOKなの?整理すべき?
まず、
言葉の意味を整理しておきましょう。
ここで言う「使わないカードローンの解約」には、
大きく分けて2つのパターンがあります。
①ローン専用カードの場合
プロミスやアコム、
銀行カードローンなどの「お金を借りる専用のカード」。
この場合は、
契約自体を解約することを指します。
②クレジットカードの場合
お買い物で使うクレジットカードに付いている、
「キャッシング機能(枠)」。
この場合は、
クレジットカード自体を解約する必要はありません。
カード会社に連絡して、
キャッシング枠を0円(なし)に設定変更することを指します。
最近では、
「比較的少額を簡単に契約して、
すぐに融資してもらえるサービス」として、
どちらも同じような意味で扱われることが多いです。
ここでも、
あまりはっきりと区別せず、
「必要な時にカードでお金を借りることができる契約」として説明していきます。
カードローンやキャッシングは、
契約が簡単なこともありますし、
クレジットカードの初期機能としてついていることもあります。
また、
銀行のキャッシュカードにも、
一体型としてカードローン機能が付いていることもありますね!
銀行の窓口で、
「他のサービスと合わせて契約してもらえば、
定期預金の金利が上がります!」と言われて。
特にカードローンを使う予定はないけど、
借り入れ枠だけは作った(契約だけする)ということもあるかと思います。
カードローンのような金融機関のサービスを使わずに放置している人は、
意外と多いんです。
しかし、
使わないままで何年も経ってしまうと、
どうしても本人が契約したことを忘れてしまったりするんですよね。
やはり、
使わないカードローンやキャッシング枠は、
サッパリと後始末するべきなのでしょうか?
2.契約したカードローンを残すメリット
①・いざという時に使える
使わないサービスを契約したまま放置するメリットとして、
「困った時にすぐ使える」というメリットがあります。
カードローンやキャッシングの申し込み審査に合格すると、
「あなたには〇〇万円まで融資OKです。」という利用枠(利用限度額)がもらえます。
この枠内の金額であれば、
いつでも自由に借り入れをすることができます。
借りていない状態でも利用可能枠は存続しているので、
契約を放置しておけば・・
「急な葬儀に出席することになった」、
「結婚式に包むお金が無い」、
「急な入院代が必要」
といった時に、
キャッシングの申し込みをせずにすぐにお金を借りることができます。
もう使わないと思って解約してしまうと、
新たにお金を借りるための契約に申し込み、
審査をした上でサービス利用の可否が決まることになります。
急な出費だと審査の時間が惜しいものです。
契約したまま残しておけば、
いざという時に頼りになりますね!
②・銀行取引での優遇
銀行では、
特定のサービス、
あるいはいくつかのサービスを申し込むことによって、
特典を受けられることがあります。
銀行によって特典が違うのですが、
例えばカードローンの契約をすると金利上乗せ、
ネットバンキング契約をするとさらに上乗せという感じです。
上乗せではなく、
住宅ローンなどの金利を下げてくれる場合や、
ATM使用料を無料にしてくれることもあります。
カードローンの契約だけでは大きな恩恵はないですが・・、
ネットバンキングや、
クレジットカード一体型キャッシュカードなどの契約とセットで利用する場合など。
会員ランクが上がり、
ATM使用料や振込手数料が無料になっていることが多いので、
放置していたキャッシングやカードローンを解約してしまうと・・
今まで土日でもATM利用料が無料だったのに、
いきなり手数料が発生するということもあるので注意が必要です。
3.契約したカードローンを残すデメリット
①・契約内容がわからなくなる
色々なお店でポイントカードを作ると、
同時に勧められるのが
クレジットカード機能付きカードです。
もらえるポイントはクレジットカード一体型の方がお得になっていることが多いので、
「じゃあ、そっちでお願いします」と何となく作ってしまうことってありますよね?
これが金融機関の場合、
何となくキャッシング機能を付ける人、
もしものためにカードローンを申し込む人がいます。
普段使わない人にとっては「え、何で!?」という話ですが、
ローンにあまり抵抗がなく、
生活の一環としてキャッシングを活かしている方も多いんです。
銀行員に勧められるとあっさり申し込みという方も、
実は沢山いるんです。
もちろん、
カードローンを申し込めば定期預金の金利がよくなる、
ATM利用料が無料になるといった特典を魅力に感じて、
使わないけれど申し込む方もいます。
そうすると最終的に、
「どこでどのサービスを契約したか忘れてしまった・・。」となりますよね?
それは、
ハガキで通知を受けてもそんな契約を結んだっけ?
と首を傾げる方もいらっしゃったりする訳です。
自分でどんな契約をしているかを忘れてしまうと、
連鎖的にカードの管理も雑になってしまい、
カードを失くしても気付かないことだってあります。
いざという時に、
どこの会社とどんな契約を結んでいるのか?
分からずに使えなかったり、
カードを失くして不正利用されるリスクもあり危ないという可能性もありますね。
カードは使わないなら解約する。
なるべく整理しておいた方が、
いざという時に迷わないので管理が簡単です。
②・他のローン審査で不利になる?
これが使わないカードローンやキャッシングを放置しておいた場合の、
最大のデメリットかもしれません。
カードローンやキャッシングを解約しないと、
使っていないとしても、
借り入れ可能な「信用枠」(利用限度額)が残ります。
この「枠」が残っていると、
住宅ローンの借入れなど、
違う大きな借り入れをする時に審査で不利になり、
落とされてしまう可能性があるんです。
「枠」が残っているということは、
今は使っていなくても、
いつでも借金をすることができる状態であると金融機関は判断します。
そうすると、
住宅ローンの審査合格などが危うくなる場合があります。
実際に、
ローンの借入残高、
返済残額が0円なのに、
カードローン枠を解約せずに放置していたがために、
大事な審査で落ちたという事例も少なくありません。
4.まとめ
使わないのに契約をそのままにしておけば、
いざという時にすぐに資金調達できて便利です。
また、
カードローンやキャッシングの契約があるということで、
ATM手数料などの優遇を受けることも可能です。
しかし、
契約しているカードの数が多すぎると管理できなくなりますし、
住宅ローンなどの大事なローンを組む時。
1度も借り入れが無かったとしても「枠」があるから、
いずれは借りる可能性がある。
そう判断されることで、
審査が不利に働くこともあります。
1社、
2社程度の契約であれば、
いざという時のためにそのままにしておくのは問題ないでしょう。
しかし、
中には数社の契約をそのままにしている方もいます。
重要な契約はなるべく厳選して、
大事なものだけ残すことをお勧めします。