知っておけば怖くない!
利用停止から差し押さえまでの「全シナリオ」
クレジットカードは普段の買い物でも、
気軽に使えて便利な支払い方法ですよね!
しかし、ボーナスの額が思ったより少なかった、
買い物した金額が思ったより多かったなど、
引き落とし日までに現金の用意が
間に合わないことだってあるかもしれません。
そんなときに慌てないように、
「滞納すると何が起こるのか」を前もって
知っておくと安心です。
支払いが遅れたあとの流れや、
実際にどうなってしまうのかについて、
詳しく見ていきましょう。
1・クレジットカードの支払いについて
2・支払いを滞納した場合(初期段階)
3・その①:カード利用が停止
4・その②:督促状・SMSが届く
5・その③:電話での催促もあり
6・その④:信用情報に「異動情報」が載る
7・支払いを滞納した場合(中期段階)
8・その①:カード強制解約
9・その②:異動情報(事故情報)が確定する
10・その③:催告状が届く
11・その④:一括請求される(全額)
12・支払いを滞納した場合(最終段階)
13・その①:裁判所から「支払督促」が届く
14・その②:給与が差し押さえ
15・その③:自宅や預金が差し押さえ
16・滞納したことで生じる困難
17・信用情報(いわゆるブラックリスト)の履歴
18・滞納情報の保有期間
19・滞納歴がある場合のローン審査
20・まとめ
- ページ更新日:11月19日
1・クレジットカードの支払いについて
普段の買い物でも気軽に使えるクレジットカードですが、
予定外の出費が重なると、
支払いが負担になることもあります。
そんな場面に備えて、
カード会社が用意している支払い方法を
あらかじめ知っておくと安心です。
一括払いで支払い
商品など購入した「その翌月」に
一括で支払う方式になります。
一括払いで支払う場合は、
当たり前ですが手数料はかかりません。
10万円の商品を購入したら、
翌月に10万円支払う形になります。
また、商品等を購入した「翌ボーナス時期」に、
一括して支払う方式を
「ボーナス一括払い方式」といいます。
この方式での支払いも手数料は、
かからないケースが一般的です。
支払い時期については、通常のボーナス時期とされる
「7月か8月」と「12月か1月」になるでしょう。
ボーナス払いができないお店もありますので
注意しましょう。
分割払いで支払い
購入金額を複数回に分けて支払えるため、
月々の負担を抑えたい時に便利です。
支払い回数が多いほど月々の金額は少なくなり、
回数が少なければ早く支払いが終わります。
ただし、支払い回数に応じた手数料が発生するため、
計画的に利用することが大切です。
手数料について
分割払いやリボ払いの手数料は、
カード会社ごとに決められた
「実質年率」で計算されます。
利用金額や支払い回数によって
手数料が変わるため、
無理のない範囲で利用することが大切です。
例えば:JCBのお支払い回数表(例)
※実質年率15.00%で計算した場合の目安
(※手数料率はカード会社や契約内容により異なります)
▼【支払回数/支払期間/割賦係数(%)】
■3回/3ヵ月/2.51
■5回/5ヵ月/3.78
■6回/6ヵ月/4.42
■10回/10ヵ月/7.00
■12回/12ヵ月/8.31
■15回/15ヵ月/10.29
■18回/18ヵ月/12.29
■20回/20ヵ月/13.64
■24回/24ヵ月/16.37
※上記は一例であり、実際の手数料はカード会社ごとに異なります。
※初回の日割計算や端数調整により、実際の金額とは異なる場合があります。
例えば、
10万円のモノを分割払いで買ったとします。
(上記の割賦係数を例に計算)
■分割10回払い
・(毎月1万円×10回)+(分割手数料:7.00%)
=支払い金額(約107,000円)
■分割5回払い
・(毎月2万円×5回)+(分割手数料:3.78%)
=支払い金額(約103,780円)
その支払い回数に応じて、
分割手数料の金額も増える仕組みになっています。
分割で購入する際は、
支払い計画についても考える必要があると思います。
リボルビング払い
毎月の支払い額を一定にできる方式で、
クレジットカードによっては
この機能がない場合もあります。
利用額が多くても毎月の支払いは一定のため、
一見すると使いやすいように感じますが、
残高がある限り支払いが続く点には注意が必要です。
残高に応じて手数料が発生し、
支払い総額が大きくなるケースもあるため、
利用する際は仕組みをよく理解しておくことをおすすめします。
例えばJCBの場合(例)はどうなるかと言うと・・
■利用予定金額:300,000円
■手数料率(実質年率):15.00%
■支払い:定額コース
■月々の支払い金額:50,000円(設定)
■支払い手数料:12,473円
支払い合計:312,473円(6回リボ払い)
と言う感じになります。
「定額方式」には、「残高の金額」に応じて、
月々の支払額が決まるものもあり、
これを「残高スライド定額リボルビング方式」といいます。
多くのクレジットカードは、
この支払い方式をとっています。
■利用予定金額:300,000円
■手数料率(実質年率):15.00%
■支払いコース:残高スライド標準コース
■月々の支払い金額:1~4回:30,000円、5~8回:20,000円、9回以降:10,000円
■支払い手数料:26,497円
支払い合計金額:326,497円(18回リボ払い)となります。
その他に、リボルビングには、
残高の「一定割合」を月々の支払金額とする
「定率方式」もあります。
2・支払いを滞納した場合(初期段階)
クレジットカードの支払いでは、
いくつかのパターンの「返済方法」があります。
ただ、どうしても支払日に間に合わず、
返済を滞る方もいらっしゃるかと思います。
もし、決められている「支払期日」に
返済が間に合わずに返済を滞納した場合、
どのようなことが起こるのでしょうか?
まずは、初期段階滞納から1カ月程度で
起こる出来事について確認してみましょう。
3・その①:カード利用が停止
まず初めに考えられることは、
クレジットカードが一時的に
「利用不可能」となってしまうことです。
支払いがされないクレジットカードを、
そのまま使える状態にしておくカード会社は、
どこにもありません。
そのため、「遅延返済が解消されるまで」、
クレジットカードが使えなくなる訳です。
この時点で支払いを済ませれば、
大きな問題になることは少ないものの、
放置してしまうと次のステップへ進んでしまいます。
4・その②:督促状・SMSが届く
クレジットカード会社より、
支払いの「督促状(ハガキ)」が届きます。
また、最近は書面や電話だけでなく、
SMS(ショートメッセージ)や
メールで案内が届くことも増えています。
軽い遅れでも、
自動の通知が先に来る場合があります。
この時点で支払いすれば、
問題は大きくならない場合がほとんどです。
しかし、払うお金が無いから、
滞納している方の場合の多くが、
この「督促状」や「通知」を
無視してしまうことも考えられますよね?
また、自分の携帯や、
自宅にも「返済の催促」の電話が
かかって来ることも考えられます。
この「無視」した状態を「3カ月」続けた場合に、
更なる「催促」が起こることが
予想できると思います。
5・その③:電話での催促もあり
これまでの「催促」の電話に関しては、
個人の携帯や自宅宛てへの連絡でしたが、
この段階になると、職場にも
「返済催促」の電話がかかってくることになります。
これは、まさしく
「借金の取立て」と同じような催促になります。
この電話は「責められる」ためではなく、
支払い計画を立て直すための
確認連絡であることがほとんどです。
しかし、毎日のように職場に電話があれば、
周りの人たちも大体「想像がつく」可能性がありますよね?
今後どのように支払っていくかを
一緒に相談できる機会でもあるため、
無視し続けるよりも
状況を伝えておく方が後のトラブルを避けやすくなります。
6・その④:信用情報に「異動情報」が載る
クレジットカード会社と
返済計画の話し合いをしても、
その後も返済ができずに遅れが続いてしまうと、
「支払いが遅れた」という事実が、
信用情報として登録されることがあります。
“ブラックリスト”という
仕組みがあるわけではなく、
支払いが遅れた情報が
信用情報として登録される状態を指します。
この記録があると、しばらくの間
カードやローンの審査に影響することがあります。
さらに、それでも支払いに応じない場合。
どのようなことが待ち受けているのでしょうか?
7・支払いを滞納した場合(中期段階)
支払いが長期間遅れてしまうと、
カード会社としても利用を継続させることが難しくなります。
それでは、中期段階、
滞納から2カ月以内に起こるであろう出来事について、
詳しくみてみましょう。
この先はちょっと悲惨な状況になっていくと言えます。
ここまでの段階で、
なんとか返済を済ませておきたいところなのですが…
8・その①:カード強制解約
この時点で、支払いに応じたとしても、
そのカード自体が「強制解約」させられることになります。
こうなると、クレジットカードの利用を
再開することも出来なくなるのです。
もう少し早くに手を打ててれば良かったのですが、
もうこの時点では、
「すでに遅し」という状態と言えるでしょう。
また、公共料金やサブスクなどの
自動引き落としに使っていた場合、
決済ができずサービスが止まってしまう可能性もあるため、
生活面での影響も少なくありません。
9・その②:異動情報(事故情報)が確定する
すでに、「信用情報」に
遅延の事実が載せられましたが、
それはまだ「序の口」です。
この時点で、正式に
「異動情報」として登録されることになります。
(いわゆるブラックリスト入りです)
支払いに応じなかった事実が、
信用情報へ「追加」されることとなります。
そのため、他のクレジットカード会社で
新規にカードを作成すること、
また、ローンを組んで何かを購入することも
出来なくなってしまうことになるのです。
そうなれば、もう
「現金」取引のみでの生活となるでしょう。
その「現金」が無かったために
支払えなかったのですから、
今後の生活を想像するだけでも
恐ろしくなるように思います。
10・その③:催告状が届く
ここで、クレジットカード会社より
最終的な「催促状」が届きます。
催告状には、
支払期限やこれ以上遅れるとどうなるのかが
具体的に記載されていて、
事実上の「最後の通知」という位置づけになります。
どうせ、もう異動情報も載っているし…
お金も無いし…
どうでもいいや。
なんて思っていませんか?
この時点で支払えるなら、
さっさと支払うべきだと言えます。
しかし、お金が無くて
支払えない方が多いと思いますので、
この時点で再度支払いをしなかった場合、
何が起こるのでしょうか?
確認してみましょう。
11・その④:一括請求される(全額)
先ほどの「催告状」に応じて
支払いをしなかった場合、
「一括請求」されることになります。
この一括請求は、延滞分の支払いだけでなく、
「すべての残金」の支払いを
要求されることになる訳です。
分割払いやリボ払いを利用していても、
滞納が重なると分割契約そのものが無効となり、
残金の全額をまとめて請求されることがあります。
特に、分割で支払っていた方にとっては、
一括で残金を支払うことなんて
出来るわけ無いですよね?
この段階になると負担が大きくなるため、
支払いが難しい時は、
早めにカード会社へ相談しておく方が
結果的にラクになるケースもあります。
12・支払いを滞納した場合(最終段階)
長い期間支払いが滞ってしまうと、
カード会社だけでは解決が難しくなり、
法的な手続きに進むことがあります。
次に最終段階、
滞納から2~5カ月後に起こるであろう出来事について、
詳しく見ていきましょう。
なんとかして連絡を取って、
返済方法についての話し合いを持つようにしましょう。
まだ間に合います!
13・その①:裁判所から「支払督促」が届く
この時点で、クレジット会社からの
「催促」ではなくなります。
その代わりに「裁判所」からの
「支払督促」が届くことになります。
この支払督促は、
法的な効力が非常に強いものです。
これを無視してしまうと、
裁判所側で「相手の言い分通りで間違いない」と判断され、
強制執行(差し押さえ)の準備が
進められてしまいます。
14・その②:給与が差し押さえ
裁判所の「督促」に応じなかった場合、
「強制執行」の手続きがとられることになります。
そして、「給与」の「一定額」が
「毎月」差し押さえられることになる場合があります。
給与の差し押さえを行うには、
裁判所から勤務先へ通知が送られます。
つまり、滞納の事実が
会社に知られてしまうことになります。
また、手取り額も減るため、生活への影響は避けられません。
さらに他にも何が起こるのか?
次を見てみましょう。
15・その③:自宅や預金が差し押さえ
もし、自分名義の自宅や
マンションを持っている方であれば、
その「不動産」自体も
差し押さえになる可能性があります。
差し押さえられた不動産は
「競売」にかけられ、
売却された代金が返済に充てられることになります。
また、不動産だけでなく、
銀行にある自分名義の「預金」や、
投資している「株式」などの財産も
差し押さえの対象となります。
ここまで、滞納によって起こりうる
一連の流れを解説してきましたが、
カード会社や状況によって
対応が多少異なる場合もあります。
16・滞納したことで生じる困難
ローンが組めない
先ほど、異動情報(ブラックリスト)でも書きましたが、
ローンが組めなくなります。
住宅ローンも車のローンもです。
約5年間、その状態が続くと考えてもらって良いでしょう。
しかし、5年経てば、ローンも
組めるようになりますので、
それまでのガマンといえば、それまでです。
ただ、「現金取引」できるものって、
限られているように思います。
そのため、高額なものを買うことも
容易ではなくなるわけです。
今後の生活が、さらに
苦しくなることは容易に考えられます。
クレジットカードが作れない
社会的信用がないため、ローンだけでなく、
他社においても、新規で
クレジットカードを作ることが出来ません。
こちらも、5年間ガマンする必要があるでしょう。
その5年間は、かなり長く感じることになると思いますが、
それが自分のやってしまった
「ミス」の代償であることを忘れてはいけません。
しかし、またカードを作って
大丈夫かな?という心配がある方も、
中にはいらっしゃるかもしれません。
そういう方へは、あまり
クレジットカードを保持すること、
あまりおすすめ出来ないように思います。
携帯電話の分割契約も出来ない
最近は、スマホ端末の「分割払い」が
クレジット契約として扱われています。
そのため、クレジットカードなどの滞納があると、
端末代金の分割購入だけ
審査に通りにくくなる場合があります。
ただし、一括払いなら
契約できるケースもあります。
17・信用情報(いわゆるブラックリスト)の履歴
クレジットカードを滞納すると、
その履歴が信用情報として
一定期間記録されることになります。
一般的に「ブラックリスト」と呼ばれていますが、
実際にそのようなリストはありません。
その正体と詳細について、見ていきましょう。
指定信用情報機関とは?
日本には、この3つの信用情報機関があります。
・CIC(クレジット)
・JICC(消費者金融)
・KSC(銀行系)
クレジットカードの支払いが遅れると、
遅れた事実が信用情報として登録されます。
完済後もしばらく(約5年)は記録が残り、
審査に影響することがあります。
どんな情報が載るの?
クレジットカードに関する個人情報の場合、
主にCICなどの機関に以下の情報が登録されます。
その①・申し込み情報
(保有期間:6カ月)
- 申込者の情報:氏名、生年月日、電話番号など
- 申込み内容情報:カードやローンの申し込み事実
その②・クレジット情報
(保有期間:契約中、または終了後5年間)
- 本人の情報:氏名、勤務先などの属性情報
- 契約内容の情報:契約日、極度額、支払い回数など
- 支払状況に関する情報:入金状況、残債額、そして「異動」の有無
ここでいう「異動」とは、
「返済の日から61日以上または3ヶ月以上の延滞」や
「保証履行」「破産」があった場合に登録される情報です。
これが登録されている状態を、一般的に
「ブラックリストに載っている」と表現します。
その③・利用記録情報
(保有期間:6カ月)
- クレジットやローンの利用途上での審査事実など
自分の信用情報が気になる場合、
「情報開示請求」を行うことにより、
内容を確認することも可能です。
現在はインターネット(スマホやPC)から
手数料(500円〜1,000円程度)を支払えば
即時に開示確認ができるようになっています。
18・滞納情報の保有期間
クレジットカードの事故情報(異動情報)は、
延滞などが解消してから(完済してから)
5年間保有されます。
そのため、滞納を解消しても
すぐに情報が消えるわけではなく、
完済後5年間はローンを組んだり、
新規でカードを作ることが難しくなります。
また「自己破産」などの債務整理をした場合も、
同様に5年間(KSCの場合は7年)、
その情報が保有されることになります。
19・滞納歴がある場合のローン審査
過去にクレジットカードの支払いだけでなく、
携帯端末の分割代金も滞納されていた場合です。
残念ながら、ローンを組むことが
難しいと言えます。
その理由として、携帯端末の分割滞納も
信用情報機関に「異動情報」として
登録されるためです。
異動情報が掲載されている5年間は、
その情報が金融機関の間で共有されていますので、
ローンやクレジットカードの作成をするのは、
極めて厳しいと言えるでしょう。
ちなみに、クレジットカードを新規作成する際の
信用に関してですが、
勤続年数が長いことや居住年数なども評価されますが、
異動情報がある場合はそれ以前の問題となります。
20・まとめ
思っているより、簡単に
「異動情報(ブラックリスト)」へ載ってしまうことが
わかっていただけたかと思います。
クレジットカードの滞納には、
段階に応じてさまざまな対応が取られますが、
どの段階でも「早めの連絡」がもっとも重要なポイントになります。
不安を抱えたままにせず、
支払いが難しいと感じた時点でカード会社へ相談すれば、
無理のない返済計画を一緒に考えてくれるケースも少なくありません。
その金額が大きかろうと、小さかろうと、
その額が関係するわけでなく、
あなた自身の信用問題が問われるわけです。
滞納してしまった場合も、
その「催促」から逃げるのではなく、
「どうすれば支払えるか」について
クレジットカード会社と、話し合うことが大切です。
また、話し合いで決めた無理のない計画に沿って
着実に返済していくことが、
早期解決への一番の近道です。
クレジットカードは、
私たちの生活を便利にしてくれる大切なパートナーです。
仕組みを正しく理解して、
これからも上手に付き合っていきましょう。