名義変更を後回しにした時の
影響をわかりやすく解説
結婚して幸せに浸っていたのもつかの間。
名字が変わると、免許証・パスポート・銀行口座など
名義変更が必要な手続きが一気に押し寄せてきますよね。
「ちょっと面倒…あとでいいかな」
と思いがちなクレジットカードですが、
実は放置してしまうと困ったことになりかねません。
どんなトラブルがあるのか、順番に見ていきましょう。
- ページ更新日:11月17日
1. 名義とは?
「名義」という言葉、普段はあまり意識しないかもしれません。
でもクレジットカードでは、とても大切なポイントになります。
▶︎【名義とは?】
名義には、次のような意味があります。
- 名前。特に名目上・形式上の “当事者” として扱われる名称
- 法律上の行為をする主体として示される名前
- その人の名前と、それに伴う立場
クレジットカードにおいて重要なのは、
法律上の行為をする本人として示される名前という部分です。
つまり、カードを利用する正式な本人を示すものなんですね。
▶︎【名義変更が必要になるとき】
名義変更が必要な場面は、大きく2つあります。
・持ち主そのものが変わるとき
・持ち主は同じでも苗字が変わるとき
例えばこんなケースです。
・相続で土地や家の持ち主が変わる
・車を家族に譲る
・結婚・離婚で苗字が変わる
・養子縁組で氏が変わる
・家庭裁判所で氏名変更をした場合
苗字が変わっただけでも、
旧姓のまま使い続けるのは本来望ましい状態ではありません。
▶︎【苗字が変わったら名義変更は必須】
苗字は「今日から○○です」と名乗るだけでは効力はありません。
公的な手続きを経て、正式な名前として認められます。
そのため、免許証や銀行口座と同じように
クレジットカードも名義変更が必要になります。
▶︎【名義変更の準備に必要なもの】
・住民票(旧姓と新姓がわかるもの)
・運転免許証
・パスポート(再発行の場合は1週間ほど)
まずは本人確認書類をそろえることが大切です。
▶︎【結婚時はどんな順番で名義変更する?】
結婚に伴う名義変更の流れは次のようになります。
・免許証の名義変更(住民票を持って警察署へ)
・銀行口座の名義変更(給与振込など関係するため早めが安心)
・健康保険証・年金(会社員なら会社が対応)
・パスポートの再発行(約1週間・旅行前は注意)
そして最後に忘れがちなのが、クレジットカードの名義変更です。
カード裏面の番号に電話するか、公式サイトから手続きできます。
新しいカードが届くまで2〜3週間かかることもあるので、
まずは「手続き中」の状態にしておくと安心です。
2. カードの名義変更をしたくない理由
クレジットカードは、免許証のように
すぐに提示が求められるわけではないので、
名義変更はつい後回しにしてしまいがちです。
特によくある理由は次の通りです。
▶︎【1. 今まで通り使えてしまう】
苗字が変わってもカードは普通に使えてしまいます。
暗証番号だけで決済できる場面も多いため、
「このままでも大丈夫かな」と思いやすいんですね。
▶︎【2. 専業主婦になって再審査が不安】
結婚を機に退職すると、
「無職扱いで再発行されないのでは?」
「限度額が下がったりしない?」
こんな不安が出てきます。
でも実際は、
これまでの利用に遅れやトラブルがなければ
ほとんどの場合、問題なく新しい名義でカードは発行されます。
限度額が下がる可能性はありますが、
大きく不利になるケースは多くありません。
▶︎【3. 自分のクレヒスに自信がない】
・残高不足の経験
・支払い遅延
・督促が届いたことがある
こうした経験があると、
「名義変更をしたら再発行してもらえないのでは…」
と不安に感じてしまうこともあります。
ただ、ここで知っておきたいのが
クレジットヒストリー(クレヒス) の考え方です。
クレヒスとは、これまでの支払い履歴や利用状況のことで、
カード会社はこれを参考に「信用できるか」を判断します。
より詳しく知りたい場合は、次の公式ページが参考になります。
・三井住友カード|クレジットヒストリー(クレヒス)とは?
・CIC|信用情報とは(公式)
名義変更そのものは不利になりませんが、
過去に支払い遅延が積み重なっている場合、
カード会社の判断によっては
新しい名義での継続利用が難しくなるケースもあります。
その場合、一時的に旧姓でサブカードを使い続ける方法もありますが、
これはあくまでも 一時しのぎ です。
旧姓のまま使い続ける行為は規約に反した状態が続くため、
できるだけ早めに名義をそろえておく方が安心といえます。
▶︎【夫の信用情報は影響する?】
結婚相手に借金があったり、金融事故があったとしても
あなたの信用情報とはまったく別です。
あなた自身の利用状況に問題がなければ
カード発行に不利になることはありません。
▶︎【専業主婦でもカードは発行される?】
過去の利用に問題がなければ、
専業主婦でも通常どおり発行されます。
筆者の経験では、限度額は据え置きで
希望によりキャッシング枠を0円にしたこともあります。
3. そのまま使い続けるとどうなる
クレジットカードを受け取る時に一緒に届く「会員規約」には、
住所や氏名に変更があれば届け出ることがしっかり書かれています。
そのため、苗字が変わっているのに
旧姓のままカードを使い続けてしまうのは
規約違反の状態 となります。
放置すると、思わぬトラブルにつながることがあります。
▶︎【海外で使えない可能性】
海外のお店では、支払い時に
パスポートとクレジットカードの名義を確認することがあります。
パスポートが新姓、カードが旧姓のままだと
・本人ではないと疑われる
・決済を断られる
・盗難カード利用を疑われる
といったケースもありえます。
名義が一致しない状態は、
思っている以上にリスクが大きい と言えます。
▶︎【盗難保険などが受けられない可能性】
カードには旅行保険や盗難保険などが付帯しているものもありますが、
これらは登録情報が正しいことが前提です。
名義が異なるまま利用していると、
場合によっては 補償対象外 になる可能性があります。
▶︎【更新カードが受け取れない】
カードの更新時期になると新しいカードが送られてきますが、
ほとんどの場合 転送不可 で届けられます。
・住所が旧住所
・名義が旧姓
・受取不可で返送
といったケースでは更新カードが届かず、
そのまま使えなくなってしまうこともあります。
さらに、状況によっては
・カード利用停止
・契約終了
・残高の一括返済の請求
などに発展するケースもあります。
クレジットカードはカード会社からの
貸与物 であるため、
規約に反した状態が続くと不利益につながる可能性があります。
4. まとめ|お互いの信頼のために
クレジットカードは審査を通ったうえで発行されます。
これはカード会社があなたを、
信用している証 でもあります。
しかし、名義変更や住所変更を放置してしまうと、
その信用が徐々に損なわれてしまいます。
信用情報は、将来の住宅ローンや各種審査にも影響があります。
ちょっとした手続きの遅れが、
思いがけない不利益につながる可能性もあります。
名義変更は面倒に感じることもありますが、
自分自身の安心のためにも、
カード会社との信頼を守るためにも、
早めに手続きを済ませておきたいところです。