ネット社会の安全を支える
「公開鍵暗号」の代表格
ネット通販が始まったばかりの頃…
安全な決済を目指し、
大切な情報を守るために生まれた強力な技術があります。
それが、
世界で最も有名で広く普及している暗号方式、
「RSA」です。
現在の通信では、主にサーバーの認証や、
鍵を安全に受け渡すために使われ、
私たちのプライバシーを支えています。
RSAがどのような仕組みで情報を守り、
私たちの生活にどう関わっているのか。
最新の動向も含めて解説します。
- ページ更新日:1月19日
1.RSAの誕生と名前の由来
「RSA」は、1977年に、
マサチューセッツ工科大学の研究者である、
リベスト、シャミア、エーデルマンの3人によって開発されました。
名称は、それぞれの名字の頭文字をつなげて付けられています。
世界で初めて、
「公開鍵暗号」の実装を可能にし、
デジタル化が進む現代においても、
セキュリティの根幹を支え続けています。
2.「素因数分解」を利用した安全性の秘密
RSAが安全だと言われる理由は、
数学の「素因数分解」の難しさにあります。
2つの巨大な素数を掛け合わせるのは、
コンピュータなら一瞬で終わります。
しかし、その結果得られた巨大な数字を、
元の素数に分解し直すのは、
最新のコンピュータでも
「現実的な時間内では困難」と考えられています。
3.デジタル署名とパディング方式の重要性
RSAはデータの暗号化だけでなく、
「デジタル署名」にも幅広く活用されています。
最新のセキュリティ基準では、
署名に「RSA-PSS」、
暗号化に「RSA-OAEP」といった
専用のパディング方式を組み合わせます。
これにより、送信者が間違いなく本人であること、
データが途中で改ざんされていないことを、
高い信頼性で証明できるのです。
4.最新の動向:量子コンピュータへの備え
現在も主流のRSAですが、
テクノロジーの進化に合わせて、
安全基準もアップデートされています。
最低ラインは「2048ビット以上」で、
より高い安全性を見込むなら、
3072ビット級の採用も推奨されます。
さらに、量子コンピュータによる解読リスクに備え、
「量子耐性暗号(PQC)」への移行準備も始まりました。
NISTでは既に、ML-KEMなどの
最新のPQC標準規格が公開されており、
将来を見据えたロードマップの整備が着実に進んでいます。
5.まとめ
「RSA」は、素因数分解という
数学的理論をベースに、
デジタル世界の安全を支える偉大な発明です。
通信の暗号化そのものは、
共通鍵暗号へ役割を譲っていますが、
認証や署名といった「信頼の証明」には欠かせません。
新しいPQC技術への移行は始まっていますが、
RSAが築いた公開鍵暗号の考え方は、
今後もセキュリティの根幹として受け継がれていくことでしょう。